物価高が話題となっている近年、そのコスパの良さから業務スーパーが注目を集めています。様々な商品が販売されていますが、その中でも人気なのが冷凍野菜ではないでしょうか。しかし、農薬騒動などもあり業務スーパーの冷凍野菜は危険だと感じる人も多くいるようで、安全性に不安を感じる声も少なくありません。
そこで今回は、本当に業務スーパーの冷凍野菜は危険なのか、農薬騒動とはどのようなものだったのかなどを詳しくご紹介していきます。
業務スーパーの冷凍野菜は危険?体に悪いの?
冷凍野菜はコスパが良く、下処理もしてあって便利だと多くの家庭で重宝されています。しかし一部ユーザーの間では業務スーパーの冷凍野菜は危険なのではないかと不安の声があがっているのも事実です。その理由の一つとして産地や品質が挙げられ、どうしても国産と比べて海外産だと品質に不安を覚える人も少なくないのかもしれません。
冷凍野菜の多くが中国産
業務スーパーの冷凍野菜が危険だと言われている理由のひとつとして、その多くの商品が「中国産」の原料を使用しているということが挙げられます。
冷凍野菜に限った話ではなく、中国産の食品で品質問題があったり、中国産を日本産と偽った産地偽装が話題になることもあり「中国=不安」と感じている人も少なくないのも事実です。
しかし、現代の輸入食品は日本の食品衛生法に基づいた厳しいチェックを受けており、その基準をクリアした商品のみが国内で流通しています。そのため一定の安全性は確保されていると言えるでしょう。
過去には残留農薬が指摘されている
業務スーパーの冷凍野菜は、過去に何度も残留農薬が検出され、自主回収された品目があります。このことからも業務スーパーの冷凍野菜は危険だというイメージが広まったものと思われます。ここ最近(2025年)では以下の品目が自主回収の対象となりました。
| 対象品目 | 賞味期限 | 検出された農薬 | 
| 冷凍大根(500g) | 2027年3月1日 | チアメトキサム | 
| 千切りピーマン(500g) | 2027年3月7日、22日 | エトキサゾール | 
今回検出された「チアメトキサム」は、主に腎臓や肝臓に影響を与える可能性があるとされ、咳や頭痛、吐き気などの症状を引き起こすことがあるとされています。もう一つの「エトキサゾール」も肝臓への影響が指摘されており、肝臓重量の増加や細胞の肥大などが認められています。
ただし、今回の自主回収は健康被害の可能性は低いとされているものの、予防的な措置として行われ、業務スーパーを運営する神戸物産はホームページで謝罪と対応を告知しました。
農薬の使用と安全性は?本当に大丈夫なの?
農薬の使用に関しては、日本国内でも”無農薬”や”オーガニック”などを謡っている商品が数多く存在し、なるべく農薬を使用しないで栽培する野菜にこだわりを持つ生産者もいます。
そもそも残留農薬とは、農作物の生産過程で使用された農薬が、最終的に野菜に僅かに残ってしまう状態を指します。日本では「残留基準値」が食品ごとに定められており、基準値を超えたものは販売することができない仕組みになっています。これは輸入品も例外ではありません。
実際のところ、業務スーパーで販売されている冷凍野菜の残留農薬とはどの程度なのか、人体に影響を及ぼすほど危険なのでしょうか。
人体に影響を及ぼすほどではない
業務スーパーの冷凍野菜は海外で生産されたものが多く流通していますが、これらも日本の厳しい基準値でチェックされており、もし基準値を超えたものがあった場合は即座に輸入停止や回収の対象となります。そのため、基本的には消費者が基準値超過の食品を口にすることはありません。
とはいえ、中には厳しいチェックを搔い潜り、基準値超過の商品が販売されてしまうことがあるのも事実で、回収することも知らないまま食べてしまうこともあるでしょう。ですが、たとえ基準値を超えたものだとしても、人体に影響を及ぼす可能性は非常に低いでしょう。
その理由として、日本の基準値は世界的に見ても非常に厳しく設計されており、「基準値ギリギリ=危険」ではないということは覚えておきましょう。
業務スーパーの冷凍野菜で気をつけるポイント
業務スーパーの冷凍野菜は危険と言われていますが、それでもコスパが良く物価高の現在は家計の強い味方になってくれるでしょう。
ここでは業務スーパーの冷凍野菜で気をつけるポイントをご紹介します。
買う前に産地表示のチェック
まずは商品の産地表示を確認しましょう。とはいえ、ほとんどの品目が中国産であり、それ以外にはベトナムやインドネシア、ベルギー、ハンガリーなどもありますが、残念ながら冷凍野菜に日本産の商品は見つけられませんでした(とろろや大根おろしなどの加工品はある)。
産地表示をチェックして、納得してから購入しましょう。以下は現在販売されている60品目の産地と商品です。
| 中国(44品目) | ブロッコリー。むき枝豆、揚げナス乱切り、カットほうれん草など | 
| ベトナム(7品目) | 冷凍さつまいも(スティック)、天ぷら用さつまいも、青唐辛子など | 
| ベルギー(5品目) | いんげん、カリフラワー、スライスズッキーニ、ミックスベジタブルなど | 
| インドネシア(3品目) | オクラ、塩味枝豆、さつまいも乱切りなど | 
| ハンガリー(1品目) | スーパースイートカーネルコーン | 
(参考:業務スーパー)
調理前の処理方法
業務スーパーの冷凍野菜を料理に使用する前に、ちょっとした下処理を行う事でもリスクを減らすことは可能です。
まずは解凍した野菜を流水で軽く洗いましょう。これにより、表面に付着した汚れや残留農薬を落とすことができます。さらに心配な方は、熱湯で1分ほど湯通しすることにより、さらにリスクを軽減できるでしょう。
まとめ
下処理済みで大容量な業務スーパーの冷凍野菜はコスパが良いと人気があります。しかし、中には業務スーパーの冷凍野菜は危険だと感じている人がいるのも事実です。過去には残留農薬が基準値を超えていたとして回収騒ぎとなることもあり、不安を覚える人もいることでしょう。
しかし、基本的には日本の厳しい基準をクリアした商品のみが販売されており、その基準値は人体に影響が及ぶ数値より何倍も厳しいものが設定されています。そのため、仮に基準値を超過した食品を食べたとしても影響が出ることは無く、毎日何百食と食べなければ心配するレベルではありません。
それでも気になる人は購入前に産地などをチェックし、使用する前も水洗いや湯通しするなどをすることで安全性を高めることができます。








