一昔前は火力発電がメインとなっていた発電方法も、現代は風力発電、水力発電、太陽光発電などといった、環境に配慮した方法が使われるようになってきました。
多くの発電方法がある中で、「バイオマス発電」という方法を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
風力発電のメリットデメリットがあるように、「バイオマス発電」にもメリットデメリットがあると言われているとか。
そこで今回は、「バイオマス発電」のメリットとデメリットや仕組み、将来性などを調査していきたいと思います。
バイオマス発電のメリット・デメリット
「バイオマス発電」は再生可能エネルギーを利用する発電方法として大きな注目を集めているわけですが、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
「バイオマス発電」のメリットとデメリットを詳しく調査していきたいと思います。
メリット
- 安定的に発電
- カーボンニュートラル
- 資源の再利用
「バイオマス発電」は太陽光発電や風力発電のように、自然エネルギーを利用しないため天候に左右されずに、安定的に発電することができます。また、「バイオマス発電」は森林伐採などで出た廃材を使っており、資源の再利用しながら、発電することが可能です。
木材などを使って燃焼し、そのエネルギーを使っているのが「バイオマス発電」なので、木が既にCO₂を吸収している分が燃やされたときに排出されるだけなので、大気中の二酸化炭素が増えないという特徴があります。
デメリット
- コスト
- 発電効率
- 公害のリスク
「バイオマス発電」は使用する廃材などの運搬、調達、管理などにコストが掛かってしまいます。また、「バイオマス発電」の発電効率は20%から25%で、水力発電は80%、風力発電は20%から40%、太陽光発電は20%前後です。「バイオマス発電」と他の方法と比較すると、それほど効率が高くないことが分かります。
「バイオマス発電」は発電後に出る廃液は環境への負担が大きく、適切に処理しなければ、公害の原因にもなるというデメリットがあるので注意が必要です。
バイオマス発電の仕組み
そもそも「バイオマス」とはどのようなものなのでしょうか。「バイオマス」は石油などの化石燃料を取り除いた動植物などの生物から作り出されるエネルギー資源(燃料)のことです。
「バイオマス発電」はバイオマス燃料を直接燃やす方法や発酵させて生じたメタンガスを利用する方法などがあります。
「バイオマス発電」の方式は大きく分けて3つあるので、詳しく見ていきましょう。
直接燃焼方式
「直接燃焼方式」は木材や可燃ゴミなどを加工し、ボイラーで燃やします。その際に生まれた熱エネルギーを利用し、水蒸気を発生させ、蒸気タービンで発電を行うという方法です。
熱分解ガス方式
「熱分解ガス方式」は木材などのバイオマス資源を高温で処理し、ガス化させ、そのエネルギーを利用し、タービンやエンジンで発電を行うという方法です。
生物化学的ガス方式
「生物化学的ガス方式」は生ゴミや汚水などを発酵させ、メダンガスを生成します。発生したメタンガスをタービンやエンジンに利用し、発電する方法です。
バイオマス発電の将来性は?
「バイオマス発電」はCO₂を既に吸収している廃材などを燃焼させ、その熱エネルギーなどを利用し発電しているため、非常に環境に配慮した方法です。また、廃材や汚水、家畜の糞尿なども利用しているため、資源の再利用という面でも注目されています。
その一方で、廃材などの運搬コストや発電効率の低さ、場所の確保といったいくつかの問題点を抱えているのも事実です。
「バイオマス発電」は天候に左右されず安定的に発電することができ、カーボンニュートラルな発電方法であるため、将来的にも普及していく方法なのではないでしょうか。
まとめ
今回は「バイオマス発電」のメリットとデメリット、仕組みや将来性などを調査してきました。
「バイオマス発電」は廃材などを燃やしたり、発酵させたガスを利用する発電方法で、CO₂を排出しないと言うことで注目されています。「バイオマス発電」はCO₂を削減できるというメリットがある一方で、コスト面や発電効率の低さがデメリットです。
しかし、コスト面や発電効率の低さは改善できる点でもあるため、CO₂を削減できる「バイオマス発電」は将来的に、普及していくのではないでしょうか。